若手美術家の在外研修に対する助成
採択者一覧
令和3年度
令和2年度
令和元年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 岡田 杏里 | メキシコ国立自治大学絵画科Carmen Lopez教授指導の下、博士号取得のための研究論文と制作を行う。オアハカ州とチアパス州の先住民の村で、土地の神話・伝承・風習をテーマに地域参加型壁画プロジェクトを実施する。また、現実と幻想、現代性と土着性をテーマに自身の現在の表現を追求する。 | メキシコ合衆国:メキシコシティ メキシコ国立自治大学 |
2 | 倉 和範 | 認識の世界に於ける「事実(Fact)」と「現実(Reality)」の関係性、および「信じる力/物質や出来事を存在させているエネルギー」についての考察とその表現 | ドイツ:ハンブルグ ハンブルグ美術大学 |
3 | 高橋 雄大 | 将来的に養豚農家の後継者となる上で農業と芸術、彫刻、石彫との親和性と可能性、表現方法を論点に展開手法を模索する。自分にとって主要な素材である石を問い石に問いながら、自身の今後の表現方法を模索する。これらを主題に大学で対話しディプロム号取得のための研究論文と制作を行う。 | ドイツ:ベルリン ベルリンヴァイセンゼー美術大学 |
4 | 稗田 直人 | ニューロ・クイア的メディアアート表現の研究 | ドイツ:ケルン ケルン・メディア芸術大学 |
5 | 八嶋 洋平 | 具象絵画と絵画の極端な物質的存在の組み合わせに関する研究 | ドイツ:ケルン フランツィスクス・ヴェンデルスアトリエ |
平成30年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 大久保 如彌 | 私の作品は、個人的な経験やコンプレックスを元に制作されている。その中でファッションや装飾の記号的な意味や社会性に着目し、人々が自身の外見とどう向き合ってきたかを考察してきた。外見のイメージ形成は様々なメディアの情報から影響を受け、矛盾と問題を孕み多くの問いを社会に投げかけている。 | アメリカ:ニューヨーク Neumann Wolfson Art |
2 | 粂原 愛 | デンマークの自然観を現地で調査し、制作を行うことで自身の作品を考察・発展させる。また、現地で制作した作品を中心とした展覧会・アーティストトークを開催し、今後の作家活動の糧とする。 | デンマーク:オーデンセ |
3 | 佐藤 陽歌 | 物語を最も効果的かつ魅力的な方法で伝えるビジュアル開発(特に背景美術)の探求 | アメリカ:サンフランシスコ サンホゼ州立大学 |
4 | 鈴木 紀之 | メディアアーティスト、ラルフ・ベッカーの師事のもとで、A.Iをテーマにしたインスタレーション作品を制作する。 | ドイツ:ブレーメン ブレーメン芸術大学デジタルメディア学科マスターコース |
5 | 林 恵理 | 国際化が進んだ現代社会ではもはや理想とされる世界は一元的ではないという問題意識に基づき、伝統的なユートピアのイメージとは異なる現代の新しいユートピアについて、ガラスという素材がユートピアというコンテストにおいてどのように美術の中で機能してきたかを鑑みながら作品として提示する。 | ドイツ:ハレ ブルク・ギービヒェンシュタイン美術大学 |
6 | 松原 勝彦 | クンストラーハウス・ベタニエンでのレジデンスプログラムとベルリンでのフィールドワークを通じ、作家としてのテーマである「境界線上に現れる第三の空間の可能性」を探求。 | ドイツ:ベルリン クンストラーハウス・ベタニエン |
平成29年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 武田 竜真 | 17世紀のヨーロッパで発展した花の静物画を美術史/歴史的観点から調査し、「花」というシンボリックなモチーフを現代の国際化・多様化した社会に反映させながら今日の「美」という共通言語の所在を探る。デジタルメディアと古典手法を組み合わせた作品制作を行い、最終的にはドイツでの発表を目指す。 | ドイツ:ベルリン スタジオ カールステン・ニコライ |
2 | 橘 瑞姫 | 現代美術のフィールドにおいて求められる新たな写真表現の可能性の探求。写真表現の物質的価値の再定義をめざしながら、「分断の記憶」をテーマに旧東ドイツの歴史的建築物についてのリサーチと制作、ヨーロッパにおける難民問題と数世紀にわたる移民文化についてリサーチと制作を行う。 | ドイツ:ベルリン Rosa Barba(ブレーメン美術大学教授) |
3 | 萩野 真輝 | ブルクギービヒェンシュタイン美術大学絵画科教授Sophia Schama氏の指導の下、ディプロム(修士相当)号取得のための研究論文と制作を行う。ドイツ哲学・心理学に於けるカント的な主観的空間認識の研究と、パラフィンを利用した独自の「多重空間遠近法」による制作を行い、世界中で発表を続ける。 | ドイツ:ハレ Burg Giebichenstein University of Art,Halle |
4 | 宮坂 直樹 | フランスの建築家ル・コルビュジエが考案したモデュロールを、他者の身体知覚を推測させる手段として応用する実践的・理論的研究を、ル・コルビュジェ財団のサポートの下行う。 | フランス:パリ ル・コルビュジエ財団 |
5 | 山本 しほり | 多様性を評価し、積極的に受け入れるニューヨークという環境で、アウトサイダー・アーティストとして、どのようにポジションを確立していけるのかを研究する。自身の精神障害をテーマとする作品を制作、発表すると共に、作家やキュレーターとの交流を通して人脈を広げ、研修後の活動へ繋げる。 | アメリカ:ニューヨーク NewYork Art Residency and Studios Foundation |
平成28年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 宮ケ丁 渡 | ベルリンを拠点に制作・発表を行っている美術家・内倉ひとみ氏の下で研修することで、主題・素材・空間に対する日本的感性がいかに日本独自の美術として強い発信力を持ち得るのかを模索する。また、海外で活動する礎を築くために人間関係の形成と語学の上達を目指す。併行して海外での発表を視野に入れた作品制作を行う。 | ドイツ:ベルリン 内倉ひとみアトリエ |
2 | 興梠 優護 | 英国及び欧州におけるコンテンポラリ・アートと、アウトサイダーアートの研究調査。作品制作の発展と、アーティストやキュレーターとの交流 | イギリス:ロンドン Domo Baal |
3 | 小野 有美子 | ルーブル美術館での模写によって、油絵における『幾何学的構成の可能性』と、『絵画上に描かれる像と絵肌の関係』を研究し、自作にフィードバックさせる。また、欧州の風土と社会の中で、絵画における視覚イメージと作者の思考との関連性への理解を深め、自分自身の現在の表現を追求する。 | フランス:パリ ルーブル美術館 |
4 | 野口 健吾 | 人種の坩堝、多様なリベラル思想を持つ地アメリカにおいて、現代写真のドキュメンタリーとポートレートの手法を用い、自身が取り組んでいる社会的事象と普遍的な自己・他者との関係を捉える写真作品を制作する。世界標準の「現代写真」を本場で研究しつつ、もっと日本、アジアの写真文化や写真史について考え行動に起こしていく。 | アメリカ:サンフランシスコ他 Dennis & Aiko Grayアトリエ |
5 | 冬木 遼太郎 | “作品制作における「素材」の捉え方と文化・言語形態との相関関係の考察“ 芸術作品と思考の元となる「言語」との関係性について調査を行う。特に彫刻・立体分野において基礎となる「素材」に対する文化的意識の差異とその元となる言語形態の違いに焦点をあて、研究・リサーチを行う。 | アメリカ:ニューヨーク The Newyork Art Residency and Studios FOUNDATION |
平成27年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 菅 亮平 | ドイツ、ミュンヘン国立芸術アカデミーに在籍し、グレゴール・シュナイダー教授の指導を仰ぎながら、作品制作と制作発表を進める。ヨーロッパにおける現代アートの動向を実地調査して創作活動に反映するとともに、博士論文「空虚の芸術論」において研究対象としたヨーロッパの戦後美術史について研究を深める。 | ドイツ:ミュンヘン ミュンヘン国立芸術アカデミー |
2 | 宮原 万智 | 戦後のドイツの政治思想が都市デザインと建築にもたらした影響を検証し、思想と空間の関係を、「光と影」「透明性」等のキーワードをもとに、ドローイングとインスタレーションという形で模索し、現代社会における日独双方の空間認識の在り方を独自の着眼点と共に捉え自身の作品制作に結び付けていく。 | ドイツ:ベルリン ヴァイセンゼー美術大学 |
3 | 藤好 邦江 | 作品の表現力をより高めるためにテクニックを隠すスタイルをつくりだす。 | イタリア:カッラーラ PEM ART |
平成26年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 熊野 海 | 「具象と抽象を超えた絵画表現と構想力の研究」をテーマに、ベルリン芸術大学イケムラレイコ教授の指導のもと、独学で培ってきた絵画作品の世界に、より強固な表現力と骨組、そして更なる独創性を与えるとともに新たな価値観・視野を獲得し、国際的な発表へ向けての実制作を行う。 | ドイツ:ベルリン ベルリン芸術大学 |
2 | 高城 ちひろ | イタリア・フィレンツェで伝統工芸の技術を習得し、作品の完成度と説得力の強化を図るとともに新たな表現を目指す。 | イタリア:フィレンツェ フィレンツェ美術学院 |
3 | 平井 孝典 | 大理石彫刻の高難度テクニック習得と石彫におけるイタリア現代彫刻の表現を取り入れた制作研究、及び野外彫刻やパブリックアートとしての大理石の柔軟な可能性の追求。 | イタリア:カッラーラ F.L.A.C. Fine Art Atelier |
4 | 武内 優記 | アーティストによる教育的活動の調査を通して、その方法・概念・効果を整理し、芸術が示唆する「学び」と人間形成の関係性についてアーティストの視点から考察する。また、人と自然の関わりを注視するドイツ自然哲学についても研究し、芸術と人間形成について自然哲学を媒材に、多視点から深く思考し作品へ定着する。 | ドイツ:ベルリン クリストフ・ヴルフ氏 |
5 | 菅野 創 | 最先端のテクノロジーと歴史的伝統が交差する大都市ロンドンにおいて、文化的、商業的な実践を行う社会に身を置き、グローバルに活動するスキルを身につけること。そこから人間とテクノロジーの関係性のあり方を見つめなおし、デジタル技術を基盤とした芸術表現の可能性を探求する。 | イギリス:ロンドン Balint Bolygo氏 |
平成25年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 築山 弘毅 | 西欧の現代美術史において、自身の作品群を「グラフ・ペインティング」として位置づけ、シュトゥットガルト美術アカデミーで異なる文化を持った同年代の学生とのディスカッションを通じて、新世代コンセプチュアルアートとして展開を模索する。 | ドイツ:シュトゥットガルト 国立シュトゥットガルト美術アカデミー |
2 | 豊泉 綾乃 | インドの美術における版画の役割の教育機関におけるワークショップの展開による研究、およびインドの環境と日本のそれを比較、考察した上での自身の版画作品の制作 | インド: Kurukshetra(ハリヤナ州) Department of fine art,Kurukshetra university |
3 | 諫山 元貴 | 世界的に活躍されるヘギュ・ヤン氏監修のもとで自身の映像作品/展示における「背景/風景」の要素を探求する。加えて、自身のテーマである「時間」の新たな展開のために窒素循環の研究を掲げ、ハーバー・ボッシュ法発明の地ドイツで新作を考案、制作する。また、ヨーロッパとアジアのアートシーンについて、同レジデンス内のアジアの若手作家と比較研究し、アジアの世界観をより深める。 | ドイツ:ベルリン スタジオ・ヘギュ・ヤン |
4 | 石井 香菜子 | 東西分断の歴史を象徴するベルリンという都市で、変わりゆく旧東独地区の窓辺の風景をカーテン上に定着させ記録するプロジェクト「Re-landscape」の制作と発表を行い、得られた反応から更なる展開を図る。また、ワークショップを行う等、芸術活動を通して市民に還元する事を実践し、今後のプロジェクトに活かす。 | ドイツ:ベルリン ヴァイセンゼー美術大学 |
5 | 入月 絢 | 身体を素材として時空間に美術するという自身の前提的なテーマのもと、これまでの考察を更に進める。舞踏とコーポレアルマイム両ジャンルの視点から、身体表現のテクニックと思想の狭間/ぶつかる部分を探求し、進化し続ける舞踏を根源的なところから紐解く事で、身体表現の発展性、表現素材としての肉体の可能性を提示。 | ドイツ:ベルリン Theaterhaus Berlin Mitte |
6 | 内海 昭子 | 映像の黎明期からメディアに関する様々な歴史を持つベルリンにおいて、ジオラマやパノラマなどの原初的な視覚装置の知覚システム、視覚経験についてのリサーチを行う。我々が物を見る制度とその変遷への理解を深め作品化し、メディア史と美術のコンテクストとの関係性の中で、自作の多角的な解釈の獲得を目的とする。 | ドイツ:ベルリン ベルリン芸術大学 |
7 | 菅 実花 | ドイツ・シュトゥットガルト芸術工科大学の絵画科の教授であるブンク氏の下で、ドローイングによる”visual diary”制作を通して思考としての絵画を学び、日本画技法を相対的に捉え、複合的表現の中に取り入れる。また、コラージュ技法発祥のダダイズムで活躍したハンナ・ヘッヒの研究を通して、自分のテーマである社会における女性の表象を再考する。 | ドイツ:シュトゥットガルト 国立シュトゥットガルト美術アカデミー |
平成24年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 猪瀬 直哉 | ロンドンを中心に活動される近藤正勝氏のもとで、イギリスロマン主義絵画や、ネオランドスケープ等を研究、制作し、日本人である自分がどのようにグローバルな環境で絵画と携わるべきかを考察する。 | 英国:ロンドン 近藤正勝 絵画スタジオ |
2 | 鍵岡 アンヌ | パリ国立高等学校の授業に参加し、フランスにおける伝統的なフレスコ画技法を学び、専門的な技術を習得する。また、フランス国内に現存するフレスコ画をはじめとするさまざまな壁画を巡り、町や建物と融合する芸術空間の本質を理解し、新しい絵画形式を探り制作する。 | フランス:パリ パリ国立高等美術学校 |
3 | 平川 ヒロ | 私の制作活動で重要な題目である「作品(主に絵画)と環境と展示空間の関係性」について思索し、普遍に迫る表現を獲得する。国際都市であるベルリンでの活動を通して故郷を含む日本という環境を客観的に注視し、自分自身の概念や観点を再考することにより独自の芸術観や作品制作を探る。 | ドイツ:ベルリン ベルリン芸術大学 |
4 | ケティングナイル翔 | ドイツにて様々なディシプリンの横断をし、特異な舞台芸術空間を生み出すコンスタンツァ・マグラス氏のもと身体、音、空間の可能性を実践的に研修し、自身のテーマ「共鳴」を中心とした表現の拡張を舞台芸術コンテクストを用いて試みる。 | ドイツ:ベルリン Constanza Macras / Dorky Park |
5 | 藤堂 安規 | ドイツで発明されたジアゾ式印刷技術を発展させた彫刻作品への転写技法を、カリフォルニア州立大学彫刻・メディアアート科の助教授として教鞭をとられていたフロリアン氏監修のもとで研究する。また、工学史に強い影響を与えてきたドイツにおいて、ジアゾ式印刷がどのような位置を確立するか展示を通して研究・調査する。 | ドイツ:シュトゥットガルト・ベルリン フロリアン・クラール氏スタジオ |
6 | 原 沙織 | これまでの踊り手としての活動と日本で身につけたデザイン、ディレクションのメソッドを活かした映像・パフォーマンス制作を行いながら、舞台における素材として踊るだけではない、新たな踊り手の立ち位置を探る。また、身体を用いた表現のなかでも「視覚伝達」に重点を置き、映像・空間など多様なメディアによるアプローチを通し、身体表現の考察を深める。 | ドイツ:ヴァイマール バウハウス大学 |
平成23年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 上田 尚宏 | 工業国であるドイツのミニマルアートの概念を研究することで、そこから、現代における「美術と工業」の関係性について考察し、技術や製品から作品を立ち上げる為の手法とその可能性を探究する。また、これらと深く関係するドイツ観念論や自然哲学についても調査を行い、ドイツ固有の「風景」や価値観について深く思考する。 | ドイツ ベルリン芸術大学 |
2 | 下西 進 | 大判カメラによる写真制作、及びドイツを中心とした欧州の写真家・美術作家の調査研究。 | ドイツ バウハウス大学 |
3 | 西山 祐希子 | 室内という「限られた空間にいる女性像」を、染色という制約の伴う技法によって描き、美術工芸の枠組みをこえて、人の間にある精神的距離を反映し、世界を映す鏡面として今日的な視点を持つ絵画表現の探求。ベルリン芸術大学の教授であり、絵画作品を制作されているイケムラレイコ氏のもと研修生として絵画表現の研究を行う。国外の様々な歴史や文化をバックグラウンドに持つ人々との交流、美術概念やアートシーンの動向について調査し、これまでと異なる視点により自身の作品を客観的に考察し制作への展開を図る。 | ドイツ ベルリン芸術大学 |
4 | 原 美湖 | ・滞在制作における表現方法(サイトスペシフィックアートやインスタレーション)の研修と、コンセプトに基づいた表現方法・素材の研究。 ・〈美術表現と、人や社会の関わりかた〉について日本とヨーロッパの比較研究。 | チェコ共和国 プラハ芸術アカデミー |
5 | 福島 沙由美 | ・自己の技術や今後の表現の可能性を拡大させる、見ている者が惹き込まれるような世界観の確立。絵画の奥に隠されているキーワードを深める。 ・ドイツ、スイスでの個展をとおし、不安定なもとに成り立つ都市構造及び現在進行形の社会的事象を踏まえたうえで、自己の作品に反映させる。 | スイス Charly Iten Art Affairs with Gallery Kurturschiene ドイツ Gallery Kunstraum Westend |
6 | 山下 香里 | 壁の崩壊が象徴する抑圧と解放のプロセスをもつドイツ/ベルリンで自身の制作のテーマである「崩壊感覚」を、人間の存在と創ることとの関係性まで掘り下げ、制作の新たな可能性を追求し、作品制作を試みる。 | ドイツ ドリス・クーベル氏アトリエ |
平成22年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 秋吉 風人 | ベルリン芸術大学で教鞭をとるイケムラレイコ氏のもとで、その制作方法や展覧会に至るまでのプロセスなどを具体的に研究し、氏の絵画の持つ物質性を超えたところで知覚される光の感覚と空間や、彫刻の中に絵画を共存させる為の支持体の扱い方などを学び、これまでの自身の作品や方法を再考する。また、今後の制作の展開や可能性について模索し、現地での発表を視野に入れた新作の制作を行う。 | ベルリン芸術大学 |
2 | 稲尾 新吾 | 「音とモノと身体」という私の制作における根本的なテーマを、多層的な現代表現が集まるベルリンという都市での創作活動を通して掘り下げる。サウンドアーティストとして国際的に活躍するロビン・ミナード氏、他作家との対話を通して、素材としての音の表現の可能性と受容のされ方を研究。その実践として11月のベルリンにおける個展で展示作品を発表。またセンサ技術を駆使した自作楽器のパフォーマンスでは、その制作・演奏活動を通して舞台における身体の在り方を探る。 | Galerie Mario Mazzoli |
3 | 牛島 大悟 | 急激な発展と変化を続ける中国において、中国独自のジャンルである「多媒体芸術」の可能性を探り、日本に多大な影響を与え続けてきた「中国古代文化」との融合を表現として作品化する。 | 中央美術学院 |
4 | 絹谷 香菜子 | 「日本画とは何か」という問題をイギリスから客観的に捉え直し、独自の日本画論と日本画表現のさらなる可能性を追求する。今後の日本の美術教育発展のため、イギリスにおける美術文化の浸透と発展の経緯を大学・美術館・生活習慣から調査研究する。 | UCA国立芸術大学 |
5 | 田幡 浩一 | ドイツ現代建築をモチーフにした「建築シリーズ」としてアニメーション、平面作品の制作。および、それらの展示を、さらに空間的な発想を含めた新たな形式で、作品の為に空間を作り、ギャラリーではない場所で展示をし、それ自体も作品化する。 | ハイケ ハナダ芸術建築研究所 |
6 | 前竹 泰江 | 素材の加工実験から新しく発見される様々な科学的現象を彫刻の表現として取り込んだりすることや、素材の状態変化を人間の営みや時間に重ねた比喩的テーマが、人文社会への関心が大きいニューヨークの影響下でどのようにポジションを確立していけるのか、作家マイケル・ジュー氏のスタジオ・レジデンシーで研究する。 | マイケル・ジュー彫刻スタジオ |
平成21年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | 越後 正志 | ベルギー現代美術に見られる独自の「空間」構築法は、現代演劇の恵まれた環境との結びつきにあると考え、現場に身を置いてその基本的な演劇の空間構造の方法論を習得し、自身の制作に反映させること。 | HISK (ベルギー) |
2 | 白土 佳誉 | イタリアの風土、感性を考察し、自己の創作へ展開する。平面の可能性の追求と同時に美術における平面のあり方を探求する。 | ブレラ大学(イタリア) |
3 | 水越 香重子 | 自身の制作テーマであるフィクションとドキュメンタリー(虚構と現実)の問題、時間軸の問題、また映像によって可能になる多様な物語性のあり方などを更に深く考察し、自身の映像制作を大きく発展させる。また、国内外のアートにおける文脈の差異を超えて機能する表現の方法を探求する。 | エレクトロニック・アーツ・インターミックス(アメリカ) |
4 | 鈴村 敦夫 | モザイクの歴史・地域的背景から、モザイクに対する認識がどのように変化してきたかを辿り、古典壁画技法から現代壁画技法まで幅広く習得する中で、構造を学び、材質を知り、技法の本質を理解して、新たなモザイク表現につなげていく。 | ①アカデミア美術大学 ②niArt Gallery(イタリア) |
5 | 江田 ゆかり | 「風土に根ざす人間の根源的欲求と表現」をテーマとし、テキサス、及び周辺地域に現存するランドアート、先住民の現地調査から、個を超えた空間創造の源を探り、「環境とアート」のプロジェクト参加を通して、現代環境に必要とされる作品空間の可能性を探求する。 | テキサス クリスチャン大学(アメリカ) |
6 | 岩田 草平 | インド各地の建築を環境共生住宅という観点から視察する。さらに地下水を浄化する自然のろ過装置を搭載した休憩所や日本のお蔵作りや瓦の技術を導入した農村の住居を制作する。 テーマはインドの農村部の将来を想定した未来型住宅をアーティストの視点で制作すること。 | タゴール国際大学(インド) |
平成20年度
対象者名 | 研修テーマ | 研修先 | |
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1 | イノウエみゆき | 制作テーマとしている「身体の痕跡的な表現」による作品を、従来にない「出来事としてのアート作品=インシデント」という形で、スウェーデンという未経験の土地で制作発表する。そのコンテンツとして特にスウェーデンの音環境に注目し、真似・録音を行い、日本でもそうして録音したデータを持参し、比較しつつ作品化する。また、プラスチックのキャスティング等の技術を学習し、作品の形態化を行う。 | スウェーデン王立美術大学 |
2 | 川村 秀彦 | 生活空間における彫刻の可能性についての考察及び作品の制作。 | ミラノ ブレラ美術学院 |
3 | 木村 東吾 | 近年、多くの優れた先駆者的な美術家を輩出し、現代美術の中心的役割を果たしているイギリスとドイツにおいて、現代美術の現況と、その潮流の動向を探る。さらに、それらの作品に内在する理論や、表現手法を考察し、方法論としての美術の捉え方を、指導者のもと教育機関等において、作品制作とディスカッションを通して学ぶ。 | ロンドン芸術大学 |
4 | 児嶋 サコ | ベルリン芸術大学での授業に参加し、国際的な文化交流をしながら自身の作品について、また芸術について、文化について、考え、追求する。国内外で美術家として活躍しているイケムラ・レイコ氏のもと、絵画や彫刻においての思想を語り合い、技術を磨き、これから日本人作家としてどの様に国際的に活動していけば良いか学ぶ。ドイツ国内にたくさん存在する美術館を巡り、ドイツ国内の作家を中心に世界中から集まる作品を鑑賞し、研究する。その知識や学んだことを、今後の制作活動に役立てたい。 | ベルリン芸術大学 |
5 | 竹村 京 | ベルリンで生きる人々の肖像をパフォーマンスという表現手段とドローイングという表現手段の多層化の併用で時間を伴う立体表現に置き換える試みの探究。又、世界中のアーティスト、批評家、キュレーターが集まる今日のベルリンにおいて、これからのアートが持つ社会における意味と、外国人が発表するアートが地元で共存できる可能性について作品制作と交流を介して考察する。 | ギャラリー・アレクサンドラサヘブ |
6 | 橋爪 彩 | 世界共通の女性性の記号としての「赤い靴」を設定し、それが浮かび上がらせる「境界」の諸相を様々な都市で発見し考察して、絵画作品に結晶させる私のプロジェクト「レッドシューズダイアリー」を次の地パリにて深化させ新たな展開を図る。 | ブリュノ・マトン氏 アトリエ |